実録!ウクレレ教室Lesson1

〜これまでのあらすじ〜
ひょんなことから同僚のZ子さんにウクレレを教えることになった巻きタブ(ウクレレ暦5年)。今日がいよいよレッスン初日である。はてさて、ちゃんと教えられるのか!?

Lesson1 記録
レッスン時間 15:00-16:45
場所 ハウス・ザ・巻きタブ
レッスン内容

14時にZ子さん宅側のコンビニエン集合で約束していたところ、14時15分に到着。
いきなりの遅刻である。いかんいかん。しかも遅れた理由と言うのが、車で聞くCDをストーンズにするか、ストゥージーズにするか迷っていたら出発時刻を過ぎてしまったという体たらく。それを知ってか知らずかZ子さん、開口一番「あれ?集合14時だよね?」ときつ〜いコメント。
「14時だよね?」
「あっ、えーと」
「14時だよね?」
「えー、はい。そうです。すっすみません!」
「まあいいけど」
いきなり冷や汗である。ノリノリで掛けていた”Jumpin' Jack Flash”(結局ストーンズにした)の音量を落とし、そろりそろりと最寄のカラオケ店へ。

GET YER YA YAS OUT

GET YER YA YAS OUT

ザ・ウィヤードネス

ザ・ウィヤードネス

練習場所はカラオケと決めていた。理由だが、まず二人とも実家パラサイツなので互いの家という選択肢は消した。そこで家以外となるのだが、思いつく限りで楽器を自由に鳴らせる場所というと、野外、カラオケ、スタジオ、文化センターくらいのものである。野外は寒いので却下、スタジオもスタジオ行くほど上手くないので却下、文化センターは予約システムがよくわからないし、ロックというより手芸な感じなのでパス。で、消去法でカラオケである。
ところがびっくり、カラオケは2時間待ちであった。しまった、今日は成人の日だ。元服式を終えた20歳の若人が大挙して歌いに来ており、ウクレレ弾きに貸す部屋は無し、という状態であった。
遅刻をした上に練習場確保にも失敗してしまった。いきなりダメダメである。車内のCDからは”Street Fighting Man”が聞こえてきて歌う。Now what can poor boy do? 〜 'cause this sleepy London town there's just no place for Street fighting man, No!(翻案『どうすりゃいいのさ全くよぉ。この街ときたらウックンローラーの居場所は無いのかよぉ、ぶべらっ!』
で、結局ハウス・ザ・巻きタブでレッスンすることになった。
突然の女性訪問にママタブ、パパタブはうろたえた。Z子さんもちょっと緊張気味。いや、ただのウクレレ教室なんだがなあ。
さて、ようやくレッスン開始。と、ここではたと困ってしまった。「ウクレレレッスン」などと題して大仰にはじめたのはいいが、当方、教え方を全く知らない。なぜかというとウクレレをほとんど独習で覚えたからで、いわゆる「先生」に教わったことが無い。先日ひでさんに「どうやって教えたらいいと思う?」と相談したところ「タブちゃん、そりゃ俺に聞いちゃダメだよ。だって、俺も独学だもん」との返事。ひでさんも私も完全無欠のウックンローラー。時間とか法律とかは誰かさんが勝手に決めたことで、誰かのルールや誰かのモラルはいらないんじゃー!とばかりに好きな曲のコピーでウクレレを覚えてきたため、ロックには詳しいけれどウクレレに関する基本的な知識がまるで無い。例えば、アベフトシ真島昌利のギターの違いを自分なりに語ることは出来ても、ウクレレストローク方法は未だによくわかっていない(そしてできない)。だからウクレレを教えようとしても、「ちゃんと」教えることができないのだ。
そこで一計。手持ちのウクレレ教則本に沿って、新人の講師みたいに教科書どおり教えることにした(ま、実際新人の講師なんだが)。教則本の最初はウクレレの種類の紹介。ソプラノ・コンサート・テナー・バリトン、いろいろあるんだよ、へえーそうなんだ。牧伸二師匠はソプラノで高木ブーさんはコンサートなんだよ、へえーそうなんだ。ジェイクはテナーも使うんだ、へえージェイクって誰ですか?みたいな会話で淡々と進む。
続いてウクレレの持ち方。右腕と体で胴を挟んで、左手でネックを支えて、云々。教則本に「男は右腕と胸で押さえるんだけど、女の人だと胸が邪魔して難しいからちょっと低めに」という記述有り。いい歳こいて恥ずかしがりながら解説する私。一方のZ子さん、いたって涼しい顔。
さらに続けてストロークとコードの練習。Z子さん、人差し指で容易くストローク。センスがいい、というか、初めてではなさそう。聞いてみるとギターを齧っていたことがあるとのこと。それなら話が早いや、と、コードの練習に移る。
と、ここで気がついた。今、Z子さん向けに使っている教則本は、元々自分がウクレレを始めたときに買った本である。数多のウクレレ教則本からこの本を選んだ理由、それはブルーハーツの『夢』が収録されているからだった。当時の私、入門編は適当に読み流し、ひたすら『夢』にチャレンジした。ADEとスピーディに進行するコードに苦労したが、好きだから続けた。カッコよく弾けるようになりたかったから、必要に応じて反復練習もした。結果、5年経ってもウクレレやっている。忍耐力が無い私のことだ。もし基礎練が先立ったら、続けていたかどうかわからない。
だから、Z子さんにも好きな曲をやってもらおう。Z子さんがやりたいのも弾き語りだから、基礎練の反復をやるより、好きな曲で練習したほうがいい。せっかくウクレレと出会う機会が出来て、これから沢山楽しいことが待っているのだ。反復練習で躓いてやめちゃったら勿体無い。あとは好きな曲で練習してもらおう。それに、上述したとおり自分自身あんまり基礎がわからないから、教えられないし。
というわけで、教則本の中にあった「ゆず」の『アゲイン2』を練習曲とした。
Z子さん、当然だけどまだコードを覚えてないので、弾けない。コード表からコードを読み取っても、なかなかうまく押さえられない。ウクレレのフレットが狭すぎて、ギターとは勝手が違う様子。一つ一つ押さえ方を教えながら(実は押さえ方も我流なんだが)一小節ずつ進める。
『アゲイン2』はコード進行がブルーハーツの『夕暮れ』と同じだった。『夕暮れ』は『夢』の次に挑戦した曲。当時私が苦労したのと同じコードでZ子さんが戸惑っていた。自分の経験からアドバイスできるので、教えやすい。
とりあえずイントロの8小節くらいを練習課題と決めて、本日のレッスンは終了。FS-4P&チューナー&教則本&ミュートの豪華4点セットを貸し出し、頑張ってもらうことにした。私も先生らしく、『アゲイン2』をマスターしておくことにした。
最後におまけコーナーで、Z子さんにウックンローラーの動画を紹介。Z子さん「へえー、ウクレレってハワイアンだけじゃないんだねー!じゃあ「ゆず」やっても全然おかしくないんだね」ととても感激した様子。あと、ジェイクの演奏も聞かせてあげた。こちらも感動していたみたい。
そんなこんなで教室終了。
次回レッスンは来月始め。次回以降は隔週開講と決めた。Z子さんを集合場所のコンビニエンまで送り、夕食前に解散した。
今日思ったこと。

  • 教えるのって難しい。「教えるのは教わるのより難しい」というけど、「教わったことの無い人が教える」のはもっと難しいんだなあと痛感。
  • Z子さんが苦戦したポイントが昔の自分と同じで驚いた。しかしそのポイントは経験上きちんと教えることが出来た。やっぱり人に教えるためには、まず自分がきちんと理解していないといけないんだろう。
  • 今日ウクレレの話をしているうちに、いつもより口数も笑顔も多くなっているのに気付いた。やっぱり自分はウクレレが好きなんだって再確認。

引き続き、レッスン継続予定である。あ、『アゲイン2』やらなきゃいかんね。
それではまた次回。