体を楽器に合わせる

昔の日本の軍隊では「靴が足に合わなくて痛いです」なんてことを上官に言おうものなら「足を靴に合わせろっ!」と鉄拳が飛んできたそうである。おなおそろし。
ところが人間なんてのは勝手なもので、好きなことに関してはいくらでも適応し、最終的には自分の体を変化させてしまうのである。例えば水泳選手の手には「水かき」が生成されている、力士は足に画鋲が刺さっても痛みを感じない、マラソン選手は心臓の鼓動が遅い、プロレスラー天山広吉の額には爪楊枝が刺さるなどなど・・・どれも日々の鍛錬の賜物である。ま、天山は先輩にいじめられただけだけど。
ウクレレでも同じような現象があり、特に左手に変化が現れる。

  • 左手の指先の皮膚が固くなる。これは常に弦を押さえる必要があるからである。ウクレレを始めて間もない頃は左手の指が痛くてたまらないのだが、しばらくすると指先の皮が剥け、固い皮が生成される。いったん固い皮ができるとその後は全く痛みを感じなくなる。
  • 左手親指付け根の筋肉が発達する。常に左手でネックを握っているためで、セーハやハイコードなど指に力の入るキーを多用すると一気に筋肉が増える。
  • 左手指が右手指よりも大きく広がるようになる。左手指をいっぱいに伸ばして指板を抑える必要があるためである。

そんなわけで私の左手もどんどん成長している。成長期を過ぎてからはじめたウクレレだが、何歳からでもやれば変化は起こるんだなと日々感動である。

けれどもふと思った。上記の変化はギター弾きの人にもあらわれるんじゃないだろうか・・・ウクレレはナイロン弦だけどギターはスチール弦だ、フレット板の間隔もウクレレより長い、ネックも長い、その上6本も弦がある。てことはギター引きの指の方が固くて広く広がるんだろうか?左手の筋肉も発達してるんじゃ・・・考えてみればギタリストって筋肉もりもりな人が多いな、やっぱりギターが関係してるのか?

そんなことを考えつつ今日も練習。