はじめはフェイマス

Maktab2007-05-09

ちょっとばかり、ウクレレ遍歴をば。
ウクレレを始めたのは21歳の春だった。友人のアコーディオン奏者に、一緒に音楽をやらないかと誘われてウクレレを選んだことは数日前に書いたとおりである。
早速ウクレレを買うことにしたのだが、まずはいくらでどんなモデルを買うのかを決めなければならなかった。
まず値段。ものの本には「最低2万円以上のウクレレを買いなさい」とある。曰く、2万円未満のウクレレは調律ができなかったり指板が押さえにくかったりで楽器としての用を為さないらしい。音が狂っている上に正しく指板をおさえても音が出ないような楽器では上達が遅いともあった。なるほど。私は合点し、予算を2万円前後に設定した。
次に大きさ。ウクレレには小さい順に「ソプラノ」「コンサート」「テナー」「バリトン」と4種類ある(牧伸二はソプラノ、高木ブーはコンサート、ジェイク・シマブクロはテナーを主に使っているのだとか)。大きければ大きいほど音が響く反面、値段も高くなる。2万円台で購入できるのはソプラノだけだったので、ソプラノに決定。
それから産地。ウクレレを量産している代表的な地域はハワイ、日本、アメリカの3つである(正確には中国・東南アジアでOEM生産しているメーカーもあるけど、設計は前述3地域)。ものの本には、日本製に比べるとハワイ製、アメリカ製はつくりが大雑把なため、6万円以上するモデルを買う必要があると書いてある。というわけで日本製に決定。
最後に形。ウクレレの代表的な形状は「ノーマル」「パイナップル」の2種類である。「ノーマル」はギターと同じように胴がくびれている形、一方の「パイナップル」は寸胴型。後者の方が胴の体積が広いため、音に違いがある。具体的には「ノーマル」の方が所謂ウクレレらしい「ポロロ〜ン」という音がするのに対し、「パイナップル」は「ノーマル」音が柔らかく、かつ音量が大きい。今後友人のアコーディオンとセッションすることを念頭に置くと、大きい音が出た方がいい。それに、ノーマルよりもパイナップルのが傍目に見て目立つ。というわけでパイナップル型を選択した。
以上4点をまとめ「2万円前後、日本メーカーのソプラノウクレレ・パイナップル型」を探すことにした。バイトで貯めたなけなしの2万円を握りしめ渋谷の「クロサワ楽器」へ。
上記条件のウクレレは2種類だけだった。フェイマスという老舗量産メーカーのFS-2PかFS-4P。2Pは2万弱で4Pが2万強。少し迷ったが、木目の美しさに気に入って上位機種の4Pを選択した。ウクレレ選びの最終ポイント、それはデザインなんである。なんだかんだいっても、やっぱ見た目を気に入ると愛着もわくからね。
かくしてFS-4Pがはじめてのマイウクレレとなった。形以外には特徴が無いけれど、初めて買ったウクレレなので思い入れも強い。弦をマーチン製に張り替えたらギラギラした音になり、とても元気である。現在は「たたかうはけん」さんにお貸ししている。かわいがってもらっているだろうか。