燕岳

雨混じる霧の中を突き抜けて、小屋のある尾根に辿り着いたら吹き上げ風がガスをちょっとだけ追い払ってくれた。


 
あっ、頂上だ!!けれどあっという間にまたガスの中に包まれる頂。

 
はやる気持ちを抑えて休憩。気の置けない友達と引き締まった空気と、できたてラーメン。

お気に入りの水筒たちには街で汲んだ井戸水

 
疲れを癒し、いざ、頂上へ

 
不思議な岩たちの間を抜け、白い空と地面の間を進む


 
時折休みを入れながら

 
そして、

 
たどり着いた燕岳山頂


 
残りわずかな水を一口飲んで、しばし冷気に心遊ばせる。

くわあー。山の空気だ。思わず心も体も躍る。

 
「ところでさ、今頃地上で俺たちくらいの歳の奴らって何してるの?」
キャラメルマキアートとか飲んでるんじゃない?」
「単車転がすとかさ」
「おしゃれな雑貨屋探したりとかさ」
「楽しんでるよな、俺たち」
「一番楽しんでるな」
「これからどうする?」
「小屋まで戻ったらビールだな」
「そんで、下山したら温泉だな」
「いいねえいいねえ」
「今日って土曜日だっけ?」
「そうだよ。」
「じゃ、これで家帰ってぶっ倒れて寝て起きても、まだ休みがあるんだ」
「ぁあー、いいなあ」
「で、地上は?」
モカフラペチーノとか24時間テレビとかだろ?」
「今日はホントに楽しいな」
「俺たちが一番楽しんでるよな」
「ホントそうだよな」
「楽しいな」
「うん、楽しい」
 
汗をかいて、寒い思いをして、ザックの重みに耐えて上りきった時にだけ得られる達成感。その感触を友達と3人、全身で味わった。
ピース!