始めは4弦掻き鳴らし

レビューの前に、ちょっと勇気が湧いた話。
ジョー・ストラマーが音楽を始めた頃路上で弾いていたのはギターではなく、ウクレレだったらしい。
左利きのジョーにタイモン・ドックが右で弾くよう手ほどきしたのだとか。ジョーは馴れない右手で掻き鳴らしたんだろう。
やがてウクレレはギターになった。初めそれはホワイトファルコンだったりホフナーだったりしたが、やがてフェンダーテレキャスターが唯一無二の相棒になった。通称「ストラマキャスター」と呼ばれたギターと共に、ジョーはステージ上で叫び続けた。
そしていつまでたっても演奏は利き手じゃないほうで不器用に掻き鳴らすだけだった。ジョーは最後まで掻き鳴らす弾き手(Strummer)だったのだ。クラッシュ前夜、路上でウクレレを掻き鳴らしていた頃と変わらずに。
なんだか、ウクレレが一段と近くなった。