独居御飯

諸々あって家の者が全員出払ってしまい、ここ数日一人で留守番をしている。
穀潰しをしていたころに東京・神奈川で一人暮らしの経験があるからさほど生活に苦労することは無い。久々の炊事洗濯火の用心戸締りを楽しんでいる。
一方でしみじみと「一人は寂しいなあ」と感じる。寝るときも一人、起きても一人、ウクレレ弾いても一人、夕食も一人。感動なんて何も無い。
ふと、ある知人の言葉を思い出した。

「私は何も望まない。一緒に同じ空気を吸って、同じものを食べて、同じ話題に泣いたり笑ったりできる人がいればそれで幸せなんだから」

聞いた当時はなんだか鼻に付いたのだけれど、今はスッと言葉が心に入ってくる。一人は気楽で気儘だけれど、その代わり反応が無い。何をしても何の反応も得られないこと。人には目も耳も鼻も精密なのが付いているのに、それらを使っても何一つ外界の変化を捉えることができない、なぜなら変化が無いから。これは確かに不幸だ。
会いたい人には出来るだけ会いに行こう。私のそもそものモットーなのだが、今以上に強く意識したいと思う。