夢ならこのまま

たらすなさんを乗せた特急は月明かりの木曽路を抜けていった。
Maxさんの運転する車は常念岳を仰いで小さくなった。
私は鼻を噛んで会社に行った。
ウクレレ弾きの集った週末はあっという間に過ぎた。楽しかった3日間。Boskoが、Honeyが、たらすなさんが、Maxさんがうちでウクレレを弾いて、飯を食って、風呂に入って、寝て起きて、またウクレレを弾いた。
夢のような3日間。何が起きたのだろう、何だったのだろう。仕事を終えて帰ってきて振り返ってみるけど、実は今、よくわからない。
けれど確かなのは、ベランダの吸殻入れには大量のショートホープとピース、鉄くず袋の中にはこれも大量に消費されたビールの缶、テーブルには皆で空けたスコッチ・ウィスキーの瓶、ハードディスクには写真と映像、そして壁と畳と天井と障子には、みんなのウクレレの音と歌声と笑い声が染み込んでいる。
間違いない、我が家にウクレレの風が吹いた。暖かい、熱い、優しい風。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。