顔面紅潮おじさん

POCHIKOさんがこのところ頭痛で調子が悪い。顔色からして休んだほうがいいのだが如何せん今は月末、彼女の仕事最も忙しい時期のため、暗い表情をしながら黙々と働いていた。
21時半過ぎ、明日の準備を終えてPCを落とす操作をしていると、帰り支度の動きに気づいたのか声をかけられた
PO「あれ、巻きタブさん帰っちゃうんですか・・・」
PC画面から声のする方向へ視線を移すと、そこには不調と疲れでうるうるした目のPOCHIKOさん。今にも泣きそうで不安な目、その目を見て私は思わず口走った。
巻き「あっ・・・・あっ・・・・こ、こら、そんな目で見つめられちゃったら帰れなくなるぢゃないかっ!」
一瞬凍りつくPOCHIKOさんと私。次の瞬間、二人とも大笑いし始めた。
PO「なにいってんすか巻きタブさんっ!」
巻き「なっ、何言わすんですかっ!うわー照れた。あー照れた。こんな台詞吐いたの2年半ぶりだ。恥ずかしいわっ」
PO「もーやだー、顔真っ赤ですよ」
そう言って冷やかすPOCHIKOさんの顔も真っ赤だった。さっきまでの青白さが嘘のよう。
ここでふと冷静になった。他愛もない会話。その他愛の無い会話に実は心底喜んでいる人がいて、それは誰あろう私自身である。うわあ、なんかおっさんだなあ・・・。
居たたまれなくなった私はそそくさと事務所を後にし、「ミサイルマン」を歌いながら家路に着いた。相変わらず口内炎が痛い。