自分探しの旅っつって

中田英寿って面白い。「自分探しの旅に出ます」って言って引退してから、本当に世界中を旅行してるんである。
まるで「ニューヨークでジャンボになって帰ってくる!皿洗いから出直したっていい」と宣言した吉田栄作が、本当にニューヨークで皿を洗っているかのような。しかも吉田栄作と違って、その「自分探しっぷり」を映像に残していたりするのである。で、中田氏が「撮られている」ということは当然「撮っている」側もいる。てことは「たった一人で世界を旅し、苦悩する中田」あるいは「最果ての地で新たな自分を発見する中田」は映像に収められる可能性が高い。見たいぞ、中田が自分発見する瞬間(ごめん嘘)。
というか中田氏ほど「自分の映り方」を気にする人間であれば、カメラを向けられたら無意識ではいられないだろう。「こう撮ってほしい」というリクエストだってあるはずである。たとえ指示が「自然体で撮って」という類のものだったとしても指示は指示、撮るほうも撮られるほうもその指示を意識するわけだ。「たった一人での自分探しの旅」が本人指示の元で撮影されているというこの構図。まるで「川口浩 探検シリーズ」である。洞窟の封印を解く川口洋が、洞窟の中のカメラで撮影されているかのような・・・。
ところで税理士になる夢はどうしたんだろう中田氏。
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