譲りたいもの

Maktab2006-06-29

押入れでウードが眠っている。ここ一年間、全く演奏していない。誰か、もらってくれないかなあと思っている。
セイフッダウレの工房でスカルさんという楽器職人に薦めてもらった手作りの逸品で、紛れも無い本物、スークで売っている見世物とは違って装飾も無い。スカルさんが別れ際に言った言葉に、職人としての誇りを感じた。
「今日から3日間好きなように弾いてみてくれ。もし気に入らなかったら返品してくれて構わないよ。その時は全額返金しよう。 これは私が作ったウードだから、私には自信と責任がある」
だから間違いなく、飾っておくより演奏すべき逸品なのである。
けれども僕は演奏していない。演奏する場がないし、演奏する場所を積極的に求めようとしていない。いやそれ以前に、ちゃんと練習していない。人は「せっかくのものだから手許に置いときなさいよ」というけれど、このまま押入れにしまっておくのは、職人に対して失礼な気がしてならない。
どなたか、このウードをステージで輝かせてくれる方、待ってます。