ユルユルのマッスルボデー

ここ6年間で10キロ太った。
原因はいたってシンプル、食いすぎ、飲みすぎ、運動不足である。
本を読んでばかりいるとどうしても運動が少なくなる。執筆活動はなかなか進まず、ストレス解消に運動するならまだしも、ついつい甘いものに手が伸びる。ここしばらくで弱かった酒にも大分強くなり、缶ビール一杯じゃジュースみたいなもの、アラクの水割りも酩酊を呼ばない、さてもう一杯。困ったことにアテが無いと飲めない性質。必然と摂るカロリーは高くなる。

アルフレッド・ヒッチコックのストレス解消法は暴飲暴食だったという。どうも私はヒチコック先生と同じらしい。才能は比べ物にならないけれど。ここしばらくはヒチコック先生になることが多かった。

フィールドワークは体を動かす、一日中立ちんぼってこともあるけれど、いかんせん場所がいけない。アラブ、大食と密たっぷりのお菓子、紅茶は砂糖入りというより紅茶味の砂糖といったほうがいいから、彼の地にいればいるほど太ってしまう。

右肩上がりで太りつづけたわけではない。カレー屋でアルバイトをしていた頃、皿を洗い米を盛り付けスパイスを振り、小さな運動も長時間繰り返せば大きな負荷、オープンしたての混乱で、13時間働きっぱなし(休憩はトイレ1回)なんてこともあったから、げっそりと痩せた。当時仕事前に精力つけるため、キヨスクでチョコバーを買って食べていた。それでも痩せていったんだから相当なものだ。

このバイトは結構気に入っていたのだが、師匠に「皿洗っているくらいならもっと勉強になることをしなさい」と指導され、止む無く退職。皿洗いの仕事はなくなったが、残った習慣が二つ。飲食店で「ありがとうございましたー」という声がするとつられて同じ事を言ってしまう、職業病みたいなものか。そして、チョコレート。カレー屋を辞めてからと言うもの、体重は増える一方である。

スーツを着る機会があって、家に帰って驚いた。ベルトをしていない、なのに全くそのことには気付かなかったのだ。以前であればスラックスがずり落ちて難儀したというのに。

元々太りやすい性質ではある。小学校のころ、兄貴の友人たちには「ブタ」とよばれていた。「おい、ブタ」。一緒に風呂に入った父は私の腹を見て「・・・おいお前、肥満児じゃねぇか!」怒り驚き悲しみ入り混じる叫びだった。平たく言えば、典型的なデブの子供でした。すぐ水を飲むし、ウドンを食べる時汗をダラダラ掻いたし、クラスで一番かわいかった奈美ちゃんが好きでした(もちろんいじめて泣かせました)。「かもしか学園」から赤紙が来なかったのが唯一の救い。

というわけで痩せねばならない。ジョギングが一番だけれどジャージ買う金はなし、散歩するご老人達に挨拶するのも億劫。脂肪燃焼効果は低いとわかっているけれど、筋トレ器具に手が伸びる。

昔から色々買った。近所のケーヨーでブルーワーカーもどき買ったり、手首につける鉛も買った、ダンベル体操、握力マシン、プロテイン。知識はついたが筋肉は付かなかった。

それでも買ってしまった。腹筋ローラー。正式名はダブル・エクササイズ・ウィールという。買ったその日に30回ほどやって、3日間筋肉痛。回復してからコツコツやっている。

進捗状況はまた連絡します。