巻きタブ、温泉チルアウトサウンドを体感

28,29日と、渋温泉郷で開催された「渋響」というイベントに参加してきた。
渋響のサイト

古びた温泉街に現代の電子音楽(チルアウトサウンド)を溶け込ませ、融合させようというこのイベント。参加者はライブ会場と化した旅館の大広間で食事しながら音を楽しむもよし、9つある外湯でライブの余韻に浸りつつ暖まるもよし、射的場で遊ぶもよし、地ビールを飲みながら地元の人と触れ合うもよし、とにかく伝統と情緒ある温泉街に音を流し2日間自由に過ごそうという趣旨である。
上の写真はフィナーレで行われた地元芸者さんによる演奏と電子音楽のセッションの様子。三味線と唄の周りを光と音が取り囲み、幻を見ているような錯覚に陥らせていた。

メイン会場遠景。宴会料理を食べながら音と光を堪能する聴衆。

メイン会場へ向かう階段は色とりどりの灯りが照らす。


音だけでなく、地元アーティストによる展示もあった。旅館の部屋をギャラリーにして展示。


古びた温泉ならではのこんなものも。30分300円。ううむ、ちょっと高いな。VHSだし。

張り切って車(ランクル70)にリーフレットを貼り付けている人も。

いやあ刺激になった。
正直電子音楽とかチルアウト・サウンドというのはほとんど知らなかったし、どんな音楽なのか言葉では説明できない。それが企画のお陰で二日間温泉入ったり酒でまどろんだりしながら耳にすることができたからだろう、硫黄臭のある熱めの湯気に混じって音が空気のように体内に入ってきた。
その音はロックンロールとは位相の違うものだった。今の自分にはどうがんばっても出せない。生み出せない。だからこんな音で奏でられるってすごいなあと思う。
ただ一方「音を楽しむ」という意味では同じで、別にジャンルがどうこうというのは関係ないなあとも感じた。
いずれにせよ、うん、いいね、この音。
電子音楽の流れる古びた街並みに遊ぶうち、つげ義春の「ねじ式」の世界にいるような感覚に襲われた。そういえば「ゲンセンカン主人」て作品もあったな。
 

とまあこれだけ書くと随分アーティスティックで繊細な週末を過ごしたような感じだが、実際は行き帰りの車内ですかしっ屁して「Nox規制だっ!」と騒いだり浴場で冷水シャワーかけあったり寝床でプロレスしたり朝酒したり射的で大騒ぎしたり先に寝た人の顔にペン(油性)で落書きしたり、中学校の修学旅行みたいな2日間だった。一緒に行った面々みんな30前後なんだけどね。
さんざん脳に刺激を受けて、さんざん阿呆な遊びをして、さあ、明日からまた仕事しよう。なんてことを思った週末だった。ピース!