虚勢を張って立ち向かえ!

今、やっと準備を終えた。工場での居残りは久しぶりだ。どうやらこのまま夜明けを迎えることになるだろう。
明日、というか今日、数時間後、一年半携わってきたプロジェクトの合否判定が下る。これまでの成果を発表して、運用開始の是非を問う役を務める。

やっとここまできた、とうとうここに来てしまった。奮い立つ気持ちと振るえで半々の心中。

正直怖い。失敗が怖い。

でも選択肢は無い。逃げ道なんてないし、逃げたら代わりは誰もいないのだから。
やるべきことはただひとつ。この一年半で積み上げた土台に立って、胸張って発表するだけだ。たとえ藁半紙の台だとしても、震えて胸が詰まっても。

もう少ししたらホテルへ帰ってシャワーを浴びて、ネクタイを絞めて戻って来よう。出発前に食事して、そうだ歌を歌おう。いま歌いたい歌がある。

『からっぽの化け物なんだ 暴力が突っ走ってく
スコップを片手に俺は 汗びっしょりで歩いてく
世界中ヒロシマになり 空がすっかり壊れても
俺は路上を歩いてく いつもと変わらぬ歩幅で』

ピース!