ゲゲゲのエイトビート

仕事場を早めに後にして最寄のレコード屋に走った。
今日は待っていたCDが出る日なのだ。しかも、2枚。

ゲゲゲの鬼太郎

ゲゲゲの鬼太郎

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本当に聴きたい音楽はCDを買う。できるだけ通販じゃなく、お店に買いに行く。買った後早足で家に帰って、あけにくいビニル包装を引っぺがして、歌詞カード見たいのをぐっとこらえて、プレーヤーに入れて音が出るのを待つ瞬間の高揚感。ダウンロードでは味わえないドキドキなのだ。それは買ってきたウクレレを初めて弾くときの感覚と似ている。
さて一枚目。以前にも紹介した50回転ズの『ゲゲゲの鬼太郎』、あの水木しげる画伯も「気持ち悪いね」と絶賛したカバー曲である。
全く以って言いえて妙、水木サン仰せのとおり気持ち悪い。昔の鬼太郎は絵も話の内容も今より気持ち悪かった。「墓場鬼太郎」シリーズよりは子供向けにアレンジされていたらしいが、それでも今の子供向けにはグロいと思う。今回の50回転ズバージョンは鬼太郎がもともと持つグロさにマッチしていて、いい。子供が多く買うだろうCDなのにカップリングで『ザ50回転ズのテーマ(ライヴ)』をぶつけてくるあたりも、一般受けする気がほとんど見えなくて素晴らしい。
それだけにジャケ写が現行アニメをベースにした絵になったのが残念。水木サン作画、オチョボ口でフーッと鼻息荒い鬼太郎に、砂みたいにブツブツ顔の砂かけばばあ、ねずみ男は50回転ズに追われて泣くんじゃなくて、50回転ズを後ろで操っててほしかった。メンバーの絵も実物より気持ち悪くないし。
二枚目。クロマニヨンズの『エイトビート
サビの一節が胸にじゅわじゅわ染み込んできた。「ただ生きる 生きてやる 呼吸を止めてなるものか エイトビート」ただこれだけの言葉なのに、もう300回くらい頭の中でリフレインしている。理由はなんとなくわかるんだけど、すみません、ちゃんと言葉にできないです。とにかく胸にじゅわじゅわ染み込んで、頭でぐるぐる回ってます。
ボーカル甲本ヒロト、ギター真島昌利、二人の曲は15歳の時から買うようになって、ずっと聴いてる。『月の爆撃機』が好きなんだといって初恋のショウちゃんにブルーハーツ時代のライブ版を貸してあげた。『夏の地図』を聴いた時には涙が出てきて、体が動かなくなって学校を休んだなあ。祖父が死んだとき『マミー』を聴いて「生きていることは確かなんだ」と実感した。ロックを聴いたことが無かった彼女が『21世紀音頭』の「失敗したら残念だけど 最悪でも死ぬだけだから」という歌詞を好きだといってた。そしてレノンハウスの写真を見ると口ずさむのは『紙飛行機』。そんな感じで二人の曲は、僕の思い出のいろんな場面に流れている。言い方かえると、二人の曲ひとつひとつにそれぞれ、過去の色んな風景が乗っかっている。
そうそう、ヒロトの真似して坊主頭にしたことも何度かある。でも似合わなかったなあ。バイト先で賄いのカレー食ってたら「昭和の集団疎開みたい」と言われたこともあったっけ。
エイトビート』にはどんな風景が乗っかるんだろう。それは自分次第。楽しみだ。