ロックンロール・ヴァイオリン

まずは動画ご紹介。
ジョー・ストラマー&メスカレロス『コマ・ガール』

晩年のジョー、ちょっと太って声の張りも無いけれど、やっぱりカッコイイ。
で、今回紹介したいのはジョーではなくて、ジョーの奥にいる内藤剛志みたいな服を来たヴァイオリンの人。
名前はタイモン・ドッグ。ご覧の通り、ヴァイオリンを無理矢理アンプにつないで、変な構えで弓をぎゅんぎゅん掻き鳴らしている。
こんなこともしている

弓を口にくわえて弦を弾いて演奏。演奏法自体はクラシックでもあるけれど、ソリストが弓くわえてるのは見たことがない。
ヴァイオリンという楽器は一般に「優雅」とか「華麗」というイメージがある。金持ちの子女が習い、燕尾服やドレスを着て奏でる楽器。オーケストラやパーティーの主役。ハイ・カルチャーという言葉にぴったりあてはまるアイテムである。
一方のタイモン、そんなヴァイオリンの持つハイソなイメージをぶっ壊して一緒にロックンロールである。しかも隣にいるのはパンクロッカーの代名詞ジョー・ストラマー。すごいぞ!
学生時代、オーケストラでヴァイオリンを担当していたゼミ仲間が「僕ね、今の音楽に目覚めちゃったんだ」と突然言いだしたことがあった。彼がしきりに「僕の家で一緒に聴こう」と誘うので、ははん、さてはロックの初期衝動を受けて興奮してるんだな、よし、一緒に聴いて騒ごう。と思い彼の家を訪問したところ、聞かされたのはノイズだらけの現代音楽だった。冬の寒い部屋で延々と2時間ほど聴かされた上に「いいね、この『弦』の響きが。そうでしょ?」と同意を求められ、本当に困ったのを覚えている。
もし今度彼に会ったら、「僕ね、弦の響きに目覚めちゃったよ」と言って我が家へ連れ込み、延々とタイモンの演奏を聞かせよう。そして「いいね、この『パンク』な感じが。そうでしょ?」と同意を求めよう。世の中因果応報である、用法間違ってるけど。
もとい、ヴァイオリンでもロックンロールができるのだ。ウクレレにだってできないはずがない。そんな風に思う。

Global a Go-Go

Global a Go-Go