ホリデイズ・イン・ザ・ホテル

Maktab2007-09-09


現在、某国のホテルにて滞在中。本日は日曜日のため出勤せず、出張に伴う移動で遅れてしまった仕事を片付けたり、「タイパンツを履いてウクレレを弾くキース・リチャーズの真似」をしたりしてのんべんだらりんと過ごした。
そして考えた。
ウクレレを始めてから5年が経つ。ジョー・ストラマー&メスカレロスやソウル・フラワー・ユニオンの影響で民族音楽に惹かれていて、アコーディオンのできる仲間とジプシー楽団の真似事をしていた。この楽団、プー太郎同然だった当事の私にとっては唯一といっていいくらいの生きがいで1年半ほど活動したが、方法論やテクニックを優先するメンバーと不和となり脱退。以来ずっと一人自宅でソロ活動(という名の練習)をしている。人前ではほとんど弾いて来なかった。
楽団脱退後、何の奇跡か月給取りになることができ忙しい毎日を送るようになった。1年半ほど、ウクレレとの付き合いは週一ペースで暇つぶし程度という日々が続いた。転機が訪れたのは今から1年ちょっと前、2年付き合っていた彼女と別れた。週末が一気に暇になり、心が感傷的になったせいで、時間があればウクレレに触るようになった。以来、ほぼ毎日ウクレレを爪弾いている。
演奏する曲はほとんどがシンプルなコードのロックンロールだ。ハワイアンはほとんど弾かない。別に嫌いじゃないけど、ロックンロールのほうが気持ちいい。音楽は「楽」しい「音」と書く。だから楽しければ、どんな楽器で何を弾いたっていいのだ。
甲本ヒロトは言った「ロックンローラーになりたかったら、まずホウキを持ってギタリストの真似をすればいい。基本はエアギターなんだよ」。
別にウクレレはハワイアンをやるためだけの楽器だなんて誰も決めていないし、ロックンロールはエレキギターじゃないとできないわけじゃない。やりたいことを、やりたいようにやればいいのだ。そんな風に考えて弾いてきた。
そんな折、グラスゴーのGus&FinがYouTubeに現れた。彼らがウクレレで演奏する”Sheena is a punk rocker”にぶっ飛んだ。うは、こいつらウクレレでパンクロック弾いてる、馬鹿じゃん、しかも下手糞!だけど、なんかかっこいぞ、ロックンロールだぞ。やっぱり思ってた通りだ、ウクレレでもロックンロールができるんだ!思わず笑い出した。ラモーンズを買いにレコード屋に走り、自分でもSheena isを弾いた。鏡の前でウクレレを構え、カッコつけてみた。阿呆である、でも阿呆で結構。
最近、何度か人前で演奏する機会に恵まれた。楽団をやっていた頃以来だから3年ぶりくらい。緊張するけれどやっぱり楽しい。それからリアル、オンライン上両方でウクレレ仲間ができた。ウクレレでロックンロールを楽しんでる人はグラスゴーだけじゃなくて日本にもいた!なんだか楽しくなってきた。ウクレレを始めて本当によかったと思っている。
さて、これから。
少しずつ活動の場を広げていきたい。やっぱり沢山の人の前で演奏するのはすごく楽しいし、元気が出てくる。それから色んな楽器とセッションしてみたい。ドラムから洗濯板まで、シタールから大正琴まで、ホルンからリコーダーまで、何でもいいし誰でもいい。下手でもいい。色んなところで、ロックンロールを楽しむ場を広げていきたい。
我ながら阿呆である、でも阿呆で結構。