男の贅沢・4ナンバー

夜、国道沿いのステーキハウス。天気は小雨。この週末にミゲールさんと私は二人で肉を食った。そこで話したこと。
「男ならいつかは小型貨物車を所有したい!」
小型貨物車、ナンバープレートの分類では4ナンバーに属する車たち。プロボックスハイエース、ヴェネット、ジムニー、アクティ、ハイゼット、軽トラ、サニトラ、エトセトラ、エトセトラ。シンプルな外装、鉄板むき出しの内装、ビニール製の座席、申し訳程度の後部座席、ラジオだけのオーディオ、あんまり効かない上に臭いクーラー、すこぶる悪い乗り心地。一方で徹底的に追及されている貨物車としての機能、視界の広いフェンダーミラー、あるいは巨大なサイドミラー、低いギア比、何でも載せられる荷台あるいはフラットな荷室、轟音を出しながらどこまでも走るエンジン。粗暴に見えて実際は質実剛健、4ナンバーはそんな車である。うん、魅力的、手に入れたい。
ただし小型貨物車を持つためには、ファミリーカーを別に持っていることが大前提である。それもグレードの高い車。家族が乗る車は最高の乗り心地と最高の安全性を備えていてほしい、たとえ毎月のローンに苦しめられようとも。
その上でもう一台車を持つ贅沢が許されるなら、小型貨物。スポーツカーでもSUVでもなく、小型貨物。ダッシュボードに雑誌や書類が詰まれ、スコップや工具箱やロープを荷室に置き、助手席には道路地図、MTシフトレバーには手作りの布製カバー。これぞ男の贅沢。
わっかるかなあ、わっかんねぇかなあ。