サッカー少年団時代

前も何度か書いたことがあるけど、小学校のころサッカーで苛められたことがきっかけで晴れの日が嫌いになった。
日曜日、晴れているとサッカーへ行かなくちゃならない。ああ、やだな、憂鬱な気分でスパイクの紐を結び自転車に乗る。私は大抵開始時間ぎりぎりに着く。グラウンドでは既に同級生たちが楽しそうにミニゲームをしたりリフティングをしたりしている。時間になると集合がかかり練習開始、30分ほど経ったころ、コーチからの怒号が私に飛ぶ。理由は私がコーチの言ったとおりのことをやらないから。ではなぜやらないかというと、下手でできないから。なんでできないんだ、やれよ馬鹿と言われる。できないものはできないんだけどなあ・・・黙っているとまたコーチから怒号が飛ぶ「お前聞いてるのか!」「はいっ!」「俺の言った事わかったか!!」「はいっ!」「馬鹿、お前の頭じゃわかんねぇんだよ!」じゃあ聞かなきゃいいのに・・・。
集団練習。2,3人でやる練習では足手まといになるから仲間に入れてもらえない。お前下手だから一緒にやりたくねえよ、とはっきり言う同級生もいた。
悲しかった。
そんなわけで晴れの日が嫌いになった。逆に雨の日が好きだった。理由は簡単、雨だとサッカーに行かなくてよかったから。雨の日はニコニコしながら部屋で本を読んだりテレビを観たりした。
梅雨の時期になると必ずブログで「ああ雨ばっかりで憂鬱な毎日だなあ」と書く人がいる。きっと晴れが好きな人なんだろう。けっ、そんなに雨が嫌いなら雨の少ない国で住めばいい。それが無理なら、夏の水不足の時には真っ先に断水してほしい。雨の日を厭だと言う人が嫌いだった。
晴れの日の憂鬱、雨の日の幸福。それが今年、ちょっとだけ変わった。
まず晴れの日が好きになった、朝起きて晴れていると喜ぶようになった。理由は簡単、山に登れるから。頂上からはどんな景色が見えるんだろう、どんな風がふくのだろう、ウクレレ弾いたら気持ちいいだろうなあ。そんなことを考えるだけでわくわくして、晴れていることが嬉しくて仕方ない。
じゃあ雨の日は嫌いになったか?憂鬱か?そんなことはない。相変わらず雨の日が好きだ。静かに読書ができるし、晴れの日にやらなかった家事を済ますことができる。ウクレレも練習しなくちゃ。そんなわけで雨の日も楽しくて仕方ない。
晴れも好き、雨も好き。もう晴れの日曜にがっかりしながら靴紐をしばることもなければ、雨の日に憂鬱だ何て吹聴することも無い。両方好きなんてそんないないと思う。あの時苛められた経験がなかったら、雨はずっと憂鬱なままだったんだろうか。山に登らなければ、相変わらず雨だけを楽しみにしていたのだろうか。わからないけど、でも、晴れも雨も両方好きになった今の自分は他人より得していると思う。明日は雨かな、晴れかな。