メタボの楽器

Maktab2007-05-11

ジェイク・シマブクロやJames Hillの登場で大分払拭されてきてはいるが、「ウクレレ奏者=太っている」というイメージは今だ根強いように思う。理由の一つとしては、高木ブー氏=ウクレレがうまい(らしい)という連想が定着してしまっているせいもあるだろう。ブー氏の大きな体と太い指が、ウクレレの小ささと対照的で印象に残るからかもしれない。
もちろん、痩せてる人が弾いても全然問題ない。本人が楽しければいいんだし、周りの人が楽しめればなおいい、そこに痩せているか太っているかは関係ない。ただ、言えることがひとつだけある。正直ウクレレは、痩せている人より太っている人の方が有利な楽器である。
何故か?一つには太っていたほうが、高木ブー氏を例に前述したような「体型とウクレレのギャップによる視覚効果」を得られるという点がある。しかしそれ以上に、ウクレレの「持ちやすさ」という点で太っている人は痩せている人を凌ぐのだ。
立ったままウクレレを弾く場合、ウクレレは右腕と胸で挟んで支える。右腕は肘よりもちょっと手首側の部分、ここを使ってウクレレをみぞおちのやや右くらいに押さえつけるのである。だから弦をかき鳴らす場合、右腕は肘から先の部分だけを動かす。手首のスナップも多用する。
さて、ここで長袖を着ていると、かき鳴らすうちに袖がウクレレの胴の上を滑ってしまい、ズルズルとウクレレが下に落ちてしまう。これが皮膚ならば汗が張り付いて滑らない。だからウクレレ奏者には半袖が多い。
閑話休題、とにかくウクレレは腕と胸でしっかり挟まないとずり落ちてしまう。ここで役に立つのが「出っ腹」なのである。腕と胸で前後から押さえるのと同時に、プヨプヨのお腹で下を支える。安定度抜群である。だから「薄い胸板+出っ腹」というメタボ体型がウクレレを支えるのに最も適した体型なのである。
反対に「厚い胸板+割れた腹筋」体型ではウクレレがずりおちてしまう。また胸の大きな女性はストラップ着用など工夫が必要である。そんなわけでメタボ体型が最適である、と思う。
ちなみに、慣れれば痩せててもきちんと支えられます。ご心配なく。