29歳になって考えたこと

26日中国で誕生日を向かえ、翌日成田に帰国。
28日、昔住んでいた街を歩いてみた。
池袋から埼京線に乗り十条へ。
十条商店街。日曜の朝から酔っ払いのおじさんたちがクダを巻く定食屋、日本酒1本150円の大衆酒場、おじちゃんおばちゃん御用達な風情の洋服店、何故かご老人で賑わうラーメンチェーン店、気前のいい八百屋。酒屋を右へ折れ踏切を渡ると十条沖原通り。「はい1円サービス」といってまけてくれた金物屋、格別に美味しい納豆を売る豆腐屋、喫茶店篠原演芸場でのお見送り、あ、饂飩屋の暖簾が見当たらないな、潰れたのかな?信号を渡りお社を過ぎると東十条の駅。
京浜東北線で隣の王子駅へ。
春先には桜の綺麗な親水公園でポカリ片手に一休み。今は葉の碧がきれい。曇り空だと言うのに子供たち水着で戯れる。せせらぎを聞くうちに手に違和感有り、何かと思えば蚋に噛まれたらしい。小指一気に膨れ上がる。
王子駅方面へ川沿いを歩くと「みの麺た」という中華蕎麦屋を発見。面白がってRyongさんにメール送る。歩道橋をわたり都電荒川線へ乗車。
チンチンと音を立てて道路上を電車が進んだ。飛鳥山にはロープウェーみたいなものが建設中らしい。誰が使うんだろう。。
庚申塚前後で人の乗降が多くなる。刺抜き地蔵菩薩人気がその理由。
車両の為かそれとも乗客のためか、車内には生活臭がプンプン漂う。臭さを漂わせながら都電は早稲田方面へ向かう。池袋4丁目で下車。
十条、東十条、王子、都電。。。住んでいたのはもう何年も前だけれど、街はほとんど何も変わっていなかった。よかった、と思う。

方々から誕生日祝いの手紙が来る、感謝。父母からはそれぞれに「1人前になった君を誇りに思う」との言葉、僅かに感涙。思えばこの街に住んでいた頃、ようやく穀潰し生活は脱したもののまあまだ金が無かった。仕事にはついたけれど倹約する日々。まさか数年後、中国へ行き来する生活を送っているなんて予想だにしなかった。
つい数年後のことすら予想できなかった。だからきっとこれからどうなっているかなど、全くわからない。
今やっている仕事は1年半後に節目を迎える。その後で何をすることになるのか。おそらく大きな判断をしなければならないことはわかっている。「君を誇りに思う」という言葉を胸にどんな事態も受け容れようと考えた。

なんてね。