あえて言うと、簡単

クラシック音楽の入門書には必ずこう書かれている、曰く「クラシックは意外と簡単」と。
何故か?それはクラシックが簡単ではないからである。
子供の頃ピアノをやっていて、ロックを知る前は半ズボンで紅茶飲みながらクラシック音楽を嗜んでいた。ちなみにお気に入りはR.シュトラウスベートーヴェンの「運命」は第1楽章より第4楽章が好き。絵に描いたようなヤなガキである。そんなヤなガキは思う、クラシックは簡単じゃあない。
多分、人がクラシック音楽を好きになるきっかけは他の音楽とそんなに変わらないものだと思う。ラジオから流れてきたメロディに感動した、生演奏に心打たれた、何だか理由はわからないけど聞いているうちに勇気が沸いてきた、等など、クラシックだから好きになったのではなく、いいなあと思った音楽がたまたまクラシックだった、それだけだろう。好きになるきっかけにジャンルごとの違いは無い。
けれど、クラシックはそこからが難しい。中世ヨーロッパで生まれ、近現代まで続きてきたこの音楽ジャンルは、富裕層の保護によりハイカルチャーとして庇護され、芸術性が他の音楽では見られないほど高まった。結果クラシックは多くの音楽理論と構成バリエーションと評論家と作法を持つ芸術となった。だから難しくて当たり前である。クラシック入門が「クラシックは簡単」と書くのは、「深く知るのは簡単じゃない」けれど「とっかかりは難しくない」からである。芸術はそれでいいと思うし、堅苦しくて難しいからクラシックを嫌いになったりはしない。
で、ウクレレ
簡単である。3つ左手の構え方を覚えればスタンダードナンバーを一曲歌える。楽器自体の歴史が100年しかないし南国風情でのんびりしてるから何をやっても許される。掘り下げればクラシック並みに奥が深いけれど、浅瀬でゆらゆらしているだけで十分楽しい。飽きない。だからかもしれない、ウクレレ雑誌に「意外と簡単」と書かれているのは見たことが無い。
さあ、今日も練習