ラモーンズの本音

働いてばかりではいかんと思い歴史の勉強をすることにした。

END OF THE CENTURY (初回限定版) [DVD]

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いや、ホント勉強は大事ですよ。
20世紀最大最強の金太郎飴ラーモンズ。むっさい長髪に革ジャンとジーパン、3つか4つのコードを引っ掻き回しやれあの子はパンクだ、やれ電撃バップだ、ワントゥッスィーフォーガバガバガバガバガバガバヘーイ♪と20年間歌い続けたロックバンド、格好もサウンドも武闘派である。

こわそー。あまりの怖さにピストルズジョニー・ロットンも彼らをギャングだと思ってたそうである。
で、実際どうだったかと言うと、
「今度こそ俺たちは全米No1を取れると思ってたんだ。だけどダメだった。何故だかわからなかったよ」
「(クラッシュの『白い暴動』を聴いて)耳を疑ったよ。彼らも俺たちと同じことをイギリスではじめたんだ。なのになぜ俺たちは売れないんだ」
「(イギリスのピストルズが客を罵倒したり唾をはきかけたりしたので)俺たちは誤解されたんだ。メディアは俺たちの歌を意図的に流さなくなった。俺たちはただ、他と変わりの無いアメリカの音楽をやってただけなのに」
「ジョーイは左派だったけど俺は右派だよ、共和党を支持してる」
パンクと言うとアナーキーで反体制反社会反レコード会社みたいなイメージだが、あれはピストルズやクラッシュといったイギリス系のバンドによって醸成された言説で、ラモーンズはただ単にアメリカ市民として音楽をやってたかったようである。日本で言うと、紅白を目指して日々歌業にいそしむラッパーみたいなものか。
そしてさらに驚くべきことが。
「新しいことをやりたかったけどジョニー(ベース)が許してくれなかったんだ。ラモーンズではいっつも同じサウンド、制服を着せられてたんだよ」
「バンドを最低限守るために規律は必要だったんだ」
ラモーンズの金太郎飴化はメンバーの総意ではなく、ジョニーが作った校則の結果だったのである。サウンドにも服装にもある程度の決められた線があって、その中でラモーンズは20年も活動していたのだ。方向性としてはカブキロックスと同じである。あ、違うか。
ともあれ、貴重な映像と共にラモーンズの足跡を辿ることができて非常に勉強になった。いや、カッコイイっすよラモーンズは。